相当踏ん張った「楽天モバイル」結局買うべきか 新プラン「1GB以下0円」の狙いを読み解いてみる

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3大キャリアが投入した「データ容量20GBで月額2480~2980円」プランではオーバースペックとなるユーザーが多く、逆にムダなお金を払うことになると暗に言いたいのだろう。ちなみに筆者のデータ量は2~3GB程度なので、もし楽天モバイルのプランに乗り換えれば980円(税込み1078円)で済む計算になる。

とにもかくにも、「1GB以下なら0円」のインパクトは強い。まさに起死回生の出血大サービスだ。

2. オンライン以外に店舗受け付けが可能

これも3大キャリアへのあからさまな対抗策だ。他社の格安プランの条件は、手続きもサポートもすべてオンラインのみ。そこが安さの根拠であり注意点でもあると、以前の記事(「大手携帯キャリアの値下げに全然喜べない理由」)で書いたとおりだ。

しかし、楽天モバイルの場合は手続きをオンラインだけでなく店舗でも受け付ける。記者説明会で三木谷浩史会長はこう語った。

「インターネットを使える人は安く、店頭に行けば高いというのはおかしい。店頭で申し込もうが、ネットで申し込もうが、ワンプランで平等に同じ値段を提供する」

これには素直に拍手を送りたい。企業側はコスト増になるが、店頭で相談できる安心はお金に代えがたい。ひょっとすると関係者が筆者の記事を読んでくれていたのだろうか(笑)。なお、これも他社にはないサービスとして、夏ごろにはメールアドレスの提供も予定している。

「段階性料金」にした楽天モバイルの最重要課題

3. 「1年間無料」にも間に合う

昨年4月の楽天モバイルサービス開始時にスタートした「1年無料」キャンペーン。300万人を対象にしているが、その枠はすでに220万人を超えたそうだ。残り80万弱の枠に間に合えば、契約してから1年間はデータ量にかかわらず無料で使える。テレワークやステイホームによりスマホで動画を見る時間が増えた人も多いだろう。楽天回線内なら無制限で、かつ無料で1年利用できるのは魅力的だ。

細かい評価はさておき、楽天は相当踏ん張ったなと感じる。

この料金設定は「赤字覚悟の背水の陣」だとか、3月以降に発生する「1年無料プラン終了後の客を逃さないためでは」とか言われるような企業側の事情はさておき、消費者としてこの3点をどう評価すべきか考えよう。

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