不朽の名作『ペスト』とは
今、私たちは、新型コロナウイルス「第3波」にさらされています。皆さんは今、どんな気持ちでおられますか? 悲しみや焦り、そして怒りなど、さまざまな感情が生まれているように感じます。まさに今、私たちは不条理なるものに貫かれています。不条理の生々しさは、ずいぶんと、骨身にこたえますね。
さて、不条理なるものは、数学の問題のようにキレイさっぱり解決できるものではありません。不条理とは、解決すべきものではなく、乗り越えるものなのです。そうは言っても、怒りや不満では、不条理は乗り越えられません。では、私たちはどうすればよいのでしょうか? 『ペスト』の登場人物の行動から、より具体的なヒントをお伝えしたいと考えています。
『ペスト』はノーベル賞作家であるカミュの作品の1つで、フランス統治下にあるアルジェリアの街、オランを舞台にした物語です。このオランにペストという感染症が発生。街は外部と完全に遮断されてしまいます。
閉鎖された街に残された人々の悲劇や苦悩、一方で勇気や愛情が描かれています。いち早くペストの流行に気づき、県庁に訴えた主人公の医師リウー、そしてたまたま居合わせた意欲的な若者タルーが、街の人々、物語を引っ張っていきます。
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