ファイザーの新型コロナワクチンが承認され、医療従事者を対象に接種が始まった。ファイザー製ワクチンは、mRNAワクチンであることや超低温冷凍保存が必要といった、さまざまな特徴や制約がある。「筋肉注射」もその1つだ。
先日寄稿した記事(新型コロナ「ワクチン」本当はどの程度怖いのか)では、世界のスタンダードである筋肉注射が、日本ではなぜ医療現場からほぼほぼ追いやられてしまったのかを振り返った。そのうえで私は、筋肉注射について「まったく心配いらない」と断言した。今も意見に変わりはない。
ただしそれは、「適切に行われるならば」というのが大前提だ。筋肉注射そのものはまったく問題ないのだが、今の日本の医療現場では、安全でスムーズな接種を実施するうえでの気がかりがいくつかある。以下、解決・対応を促すために共有したい。
皮下接種との違い、古い常識からのアップデートは?
先日の記事の通り、筋肉注射は皮下注射と比べて本来、①局所反応(赤み、腫れ、痛み)が少ない、②抗体のつきやすさは優る、というメリットがある。私も自身へのインフルエンザワクチン接種は、あえて筋肉注射で行っている。
だが、これはあくまで、適切に筋肉内に接種が行われた場合の話だ。皮下注射の“常識”は、筋肉注射では少なからず通用しない。
そこでまず、今回の新型コロナワクチンの打ち方のチェックポイントから。
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