接種開始時期を巡ってゴタゴタが続く新型コロナワクチンの接種。スケジュール通り順調に進むかはわからないが、いざ自分の順番が回ってきた場合に誰もが気になるのが、副反応だろう。
今のところその筆頭は、接種直後の重いアレルギー反応である「アナフィラキシー」だ。昨年12月に英国やアメリカからいち早く報告された。あまり聞き慣れないカタカナ語は、未知のものへの不安をいっそう駆り立てることと思う。
だが、いかなるワクチンでも有害事象・副反応はそれなりに起きる。ワクチンは異物を体に入れる行為である以上、何らかの反応は想定しておかねばならない。その大前提を踏まえたうえで、新型コロナワクチンを特に「怖がる」べきか、判断する必要がある。
私なりの結論から言えば、「新型コロナワクチンでは、従来のワクチンよりもアナフィラキシーが起きやすい」ようだ。しかし、「リスクを意識してワクチン接種を躊躇うようなレベルではない」と考える。むしろむやみに恐怖心をあおることのほうが、弊害は大きいだろう。
100万接種あたり「5例」は多い?少ない?
アメリカ疾病予防管理センター(CDC)下に設置された「予防接種の実施に関する諮問委員会」(ACIP)は1月27日、新型コロナワクチンによるアナフィラキシーの最新データを報告した。
それによると、2020年12月14日~2021年1月18日にファイザー製ワクチンの初回接種を受けた994万3247人中、アナフィラキシーを起こしたのは50例だった。100万接種に5.0例(0.0005%)の割合だ。CDCの1月6日の報告では、2020年12月23日までに行われた同社ワクチン189万3360接種後に21例のアナフィラキシーが発生、100万回あたり11.1例(0.0011%)の割合だった。
分母が増えてみたら頻度は半減していた、というわけだ。
他方、モデルナ製の最新データでは、2020年12月21日~2021年1月18日までの758万1429接種後に21例、100万接種に2.8例(0.00028%)の割合でアナフィラキシーが発生していた。12月21日から1月10日までのデータを集計したMMWRの報告では、1月10日までに接種を受けた404万1396人中の10例、100万回あたり2.5例(0.00025%)の割合だった。
こちらは分母が増えてみたら、頻度がごくわずかに増えた。
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