緊急事態宣言延長でも日経平均3万円の可能性 海外投資家は日本株のどこに注目しているのか
日経平均株価がおよそ30年ぶりの高値水準となる2万8000円台を回復、一時は2万9000円まであと一歩と迫った。
折りしも国内では新型コロナの感染拡大が再び勢いを増し、昨年春以来、2度目の緊急事態宣言が発令され、延長も取りざたされる。感染症への不安と経済の冷え込みが警戒されているだけに「株式市場の動きは実体経済と大きく乖離している」との意見も増えている。
だが実体経済と株式市場の動きが乖離することは、しばしば見られたことであり、特に珍しいことではない。なぜなら、「株価は先を読んで動く」ものだから。
ドル建て日経平均は過去最高値を更新
日本の上場企業は圧倒的に3月期決算が多いが、今3月期は大幅な減益が予想されている。しかし、春ごろからは「ワクチン効果」も期待できるので緩やかながら感染が縮小に向かい、経済活動の正常化が進む。それにつれて、来年度である2022年3月期の業績は大幅な回復が見込まれる。
世界的にかつてない規模の緩和的な金融政策が継続されるいっぽうで、企業業績が力強い回復軌道を描くという好環境が続けば、日経平均株価の3万円台回復も視野に入ってくる。
それを予感させるのがドル建て日経平均株価の力強い値動きだ。1月13日終値でドル建ての日経平均が過去最高値を更新した。それまでは1989年12月29日が最高値だった。そのときのドル建ての日経平均は273.06ドル。日経平均は3万8806円13銭、ドル円相場は1ドル=142円10銭だった。
これに対して、2021年1月13日のドル建ての日経平均は273.94ドルで、31年ぶりの最高値更新となった。同日の日経平均は2万8456円59銭、ドル円相場は1ドル=103円88銭であり、日経平均自体は当時の高値にはまだ遠く及ばないが、円相場がドルに対して約37%上昇したことが効いている。
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