12月の日経平均は「コロナだから下がらない」? いったいこの「適温相場」はいつまで続くのか
新型コロナウイルスの感染拡大は、今や1波や2波よりも明らかに大きい第3波を迎えている。12日の国内1日あたり感染者数は新たに3000人を超え、過去最多となった。韓国でもこの13日午前零時現在で初の1000人超となり、やはり1日当たりで過去最多を記録。欧米はと言えばすでに危機的状態で、もはや「クリスマス経済を捨ててでも」感染拡大防止に歯止めをかけようとしているようなありさまだ。
コロナ禍だから株は上がっている
「こんな時、株が上がっているのは何かの間違いではないか」と、疑問を持つ投資家は多い。「経済は人の営み」であり、その「人の営み」が著しく阻害されるコロナ禍において、経済が毀損するのだから疑問は当然だ。
しかし、各国は今まで考えられなかった規模の財政出動で市中にカネを供給し、経済の回復を図っているために、衰えない新型コロナウイルスと、市中にお金があふれるという現象が同時進行している。皮肉なことにコロナ禍が株価を支えている現実を作り出しているのだ。
代表的なのが今回発表されたECB(欧州中央銀行)のパンデミック対策プログラムだ。ECBの債券購入予定額は、総額1兆8500億ユーロ(日本円でおよそ234兆円)に拡大した。そんな異次的規模の支出に対して当然出て来る「ユーロ不安」には、今まで悪魔の理論と言われたMMT(現代貨幣理論)で堂々と論破している。もはや、財政規律に歯止めが効かなくなっているのだ。
日本も今回、事業規模73兆円程度の追加経済対策を閣議決定した。これを基にした今年度の第3次補正予算案は一般会計の総額で約19兆円となる見込みだ。これによって、2020年度の新規国債発行額は112兆円超となりそうだ。
当然、日本国債の格付けは下がる可能性がある。だが、世界も同じように下がれば、グローバルな資金移動は起こりづらく、特定の国にリスクが集中することはない。新しい意味での「適温(ゴルディロックス)相場」だ。
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