「29年ぶりの日経平均」と言う人が見落とす真実 もし今の高値と比較するなら、1991年ではない

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日経平均は29年ぶりの高値。でも比較するなら1991年ではなく「ベン・ジョンソンが1着で入線した五輪が行われた年」と比較すべきかもしれない(写真:Colorsport/アフロ)

まずは先週の動きから振り返ってみよう。11月24日のアメリカ株は、NYダウ工業株30種平均が3万ドルに乗せ、S&P500種指数とともに、史上最高を更新した。

翌25日にはナスダック総合指数も、ハイテク株の調整終了とともに史上最高値となった。筆者の前回コラム「『未知の大相場』がついに始まったかもしれない」で紹介したように、アメリカにおける未知の大相場が始まった様相だ。 

「下げない相場」に、日本株の強さを見た

これに対し日経平均株価も、3連休明けからの4連続高で答えた。しかし、初日である24日に638円高と一気に踏み上げたためか、続く3日間では479円高であった。一見、勢いがなくなったかに見えるが、下げない相場の面妖を強く表していた。

この動きをもう少し詳しく見てみよう。25日は一時540円高で2万6700円台に乗せたが、前日の638円高と合わせ1200円近い上昇ではさすがに売りが出て、引けは131円高の2万6296円となった(これは順当な動き)。

26日は感謝祭で、アメリカ市場休場を前に日経平均はマイナスから始まったが、次第に値を上げた。特に後場の1時過ぎからは「日銀のETF(上場信託)買いか」と思うような上げ足で、結局240円45銭高の2万6537円31銭と、3日続けて年初来高値を更新した。終値ベースで2万6500円台に乗せるのは、1991年4月以来約29年7カ月ぶりのこととなった。

週末の27日は低調な展開で、誰しも「連続高値更新は3日で途絶える」と思ったが、この日も日銀ETF買いが入ったかと思える「後半ジリ高」の107円高で、4日連続の年初来高値更新となった(終値は2万6644円)。この日の値動きは値幅以上に日本株の強さを印象付けたが、もちろん両日とも日銀ETF買いは入っていない。

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