日経平均株価はもう一度下落するかもしれない 長期の上昇トレンドは不変だが目先は波乱も
前回のコラム「大統領選後の株価予測で必ず押さえるべき真実」では、11月初から日経平均株価やニューヨークダウが上昇基調を強めたこと自体は、まったく不思議ではないと述べた。
その背景要因としては2点を挙げた。すなわち、(1)日米等主要国の景気や企業収益の持ち直し、(2)2つの大きな不透明要因の解消である。
前者については、コラム掲載後も、日本の7~9月期の実質経済成長率(前期比年率ベース)がプラス21.4%と大幅なプラスとなるなど、主要国経済の持ち直し基調持続が裏付けられた。また後者も実際に7~9月期の企業決算発表と11月3日のアメリカの大統領・議会選挙を通過し、様子見材料がなくなった(ただし、アメリカの上院2議席は未決着で、来年1月の決選投票を待つ必要がある)。
株価は買いが買いを呼び上昇したが、息切れ
その一方で「株価上昇のスピードが速すぎ、目先は株価が調整をみせる」とも述べた。筆者の短期調整見通しは外れ、勢いがついた株価上昇は、おおむね11月17日頃まで続いた。日経平均は同日にザラ場高値2万6057円をつけ、終値でも2万6000円台を記録した。またNYダウはその前日の16日に終値で2万9950ドルと、3万ドルに肉薄した。
ただしその後、主要国の株価は反落し始めて、週を終えている。特段何か株価の悪材料となったものはない。最近の上昇局面では「新型コロナウイルスのワクチンの治験結果がよく、景気回復期待が出た」と後付けで解説されただけだし、その後の反落局面では一転して「欧米で新型コロナウイルスの感染が再燃、それで景気悪化懸念が広がった」と言われているだけだろう。
実際には、株価の勢いがたまたま持続して買いが買いを呼び、株価指数が想定外に長期間上値を伸ばしていたが、それが息切れして反落に転じた、というところが、相場全体での動きの背景だと考える。
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