日経平均株価はもう一度下落するかもしれない 長期の上昇トレンドは不変だが目先は波乱も

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

やはりNYダウは好調でも、投資家は何を買ってよいのか気迷い状態に陥って右往左往していたのだと考えている。投資家が自信をもって個別銘柄を売買している、という状態から程遠かったのなら、やはり株価指数が力強く上値を追っていく、という展開が先週いったん息切れしたのは自然なことなのだろう。

3連休明け24日の日本株は、新型コロナウイルスに対するワクチン治験の進展などを受けて、再度大きく上振れはしたものの、ようやく始まった日米等の株価の調整は、まだしばらく続くと懸念している。ただ当コラムでも述べたように「概ね2021年末に向けて主要国の株価が上昇基調をたどる」といった、長期展望は変わらない。「大きな株価上昇トレンドのなかでの当面の調整局面」という位置づけでよいだろう。

再度の追加緩和措置も?

また直近では「足元の株価調整が続いてしまうのではないか」との懸念材料が、アメリカの最新の政策動向から浮かんできている。

まず、20日にはアメリカの財務省からの要請を受け、同国の連銀がコロナ禍に緊急対応するための資金供給策の多くを今年末で打ち切る方針とした。打ち切る策のなかには、企業が発行する社債や銀行が中小企業に貸し付けた債権を、連銀が買い取るものが含まれている。

こうした「異例の策」とも言える「連銀が企業に貸し出しを行う」ことと同義の策における法的な根拠は、連邦準備法13条3項にある。そこでは、連銀から民間銀行以外への資金供給は可能だが「異常かつ緊急の場合」に限るとされている。

実際、アメリカのマクロ経済は持ち直し傾向にあり、株価は上昇、社債相場も落ち着いている。とすれば、異常でも緊急でもなくなったのだから、「異例の策」を打ち切ってもよい、という理屈は立つ。

だが市場が「もう危機は脱したから連銀が一部の景気支持策を打ち切っても大丈夫だ」とまで自信を抱いているかどうかには疑念が残る。

こうした動きとは真逆の話だが、12月15~16日のFOMC(連邦公開市場委員会)では、追加緩和の可能性があると予想する。

次ページなぜ「追加緩和の可能性あり」と言い切れるのか
関連記事
トピックボードAD
マーケットの人気記事