日経平均株価はもう一度下落するかもしれない 長期の上昇トレンドは不変だが目先は波乱も

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そうした全体観はさておき、17日辺りまでの株価上昇は、物色面でいびつだった。日本株については、NT倍率(日経平均÷TOPIX)が大きく上昇し、一時は15倍に迫った(20日現在は14.78倍)。

この倍率の上昇は、東証1部の幅広い銘柄が投資家に買い上げられた、というよりも、日経平均採用銘柄ばかりが上がった、ということを示している。

通常、日経平均が先行して上昇する一番大きな要因は、日経平均先物の買いだ。今回は、アメリカの株価の上昇もあって、海外短期筋が売り方の買い戻しも含めて、日経平均先物を買い進めたことが大きかったと推察している。

とすれば「多くの企業に好材料が広がって買われた相場」という理想の状況からは程遠く、そうした「かりそめの日経平均上昇」が馬脚を現した(私の名字は馬渕だが)ことが、前週末にかけての反落を引き起こしたとも言える。

内外の投資家はあまり儲からなかった?

加えて、日本株については、ジャスダック、マザーズといった新興市場が、東証1部に比べて劣後した。とりわけ10日の東証マザーズ指数は前日比で6.4%もの急落となった。

個人投資家のなかには、新興市場の個別銘柄を買っている人もかなり多いはずだ。また、東証1部の銘柄を見渡してみても、年初来高値の数はさほどでないなど、多くの銘柄はパっとしなかった。ということでいくと「なぜ日経平均が上がっているのに、自分の投資は儲かっていないんだ」という方も多かったのではないかと懸念する(もちろん読者の方が、大いに儲けておられるのであれば、何よりなのだが)。

アメリカの株式市場でも、NYダウとナスダック総合指数が日々バラバラな動きとなったり、グロース株(成長株)からバリュー株(割安株)へ物色が移ったかと思えば、次はまたグロース株へと、猫の目のようにくるくる買われるセクターが変化したりした。

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