コロナ禍であなたは現代の模範囚になるべきか 行政のデジタル化で絶対に譲れない条件とは?

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新型コロナは人々に規律と服従の「訓練」の場を提供している。行政のデジタル化が進むのは不可避。ならば「率先して服従する」ほうが楽だろうか(写真:つのだよしお/アフロ)

世界は騒然としている。下品でやかましいアメリカ大統領選挙は推移を見守る以外に仕方がない。次の本連載(11月7日配信予定)でかんべえ先生(吉崎達彦氏)は選挙の「結果」を解説できる状態になるのだろうか。また欧州では新型コロナの感染が急拡大しているが、これも当面推移を見るしかない。

わが国では臨時国会が始まったが、学術会議の委員任命に関する不毛なやり取りが続いている。問題がないとは思わないし、大事でないわけでもないのだが、簡単に片付ける手のある問題になぜ政府が手間取って、内閣支持率に換算して10%見当の政治資源を浪費しているのか、意図がわからない。官僚の一部に菅内閣の力を削ぎたいと考える勢力があるのかもしれない。内外の情勢は、「今は」コメントしにくい。

コロナはこれからもわれわれに影響を与え続ける

この連載は競馬をこよなく愛するエコノミスト3人による持ち回り連載です(最終ページには競馬の予想が載っています)。記事の一覧はこちら

ということで、今回は「これからの社会一般」について考えたい。コロナはこれまでだけでなく、これからもわれわれに大きく影響を与えそうだ。そのコロナの困った経済的性質として外部経済性がある。すなわち、ある人の選択が別の人の損得に影響する。

例えば、マスクも自粛もしないことが自分にとっては合理的だと思っても、そうした行動は他人に感染を拡げる可能性を拡大するし、他人に脅威の感情を与えかねない。一方、マスクや自粛の強制は、健康な人や経済活動に死活的重要性のある人にとっては苦痛であり、不利益でもある。

損益に相互依存関係が発生している。こうした外部経済性は、市場で自由な取引をすることによって、適切な「落とし所」を見つけることになじまない。民主主義的な投票で決めたらいいのかもしれないが、決めるべき問題が多すぎ、時間とコストがかかるので、いちいち投票を行うわけにもいかない。

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