不安から「薬物」に手を染めてはならない 第7回 具体的な対応策で怒りの元を断つ

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性格的に「怒れない」人は

性格的に「怒れない」人は意外に多い。そのような人は、不安やストレスを「妄想する」ことで解決しようとする傾向がある。だが妄想したところで状況は何も変わらない。

 人事異動で、嫌な同僚が自分の部署に赴任してきたとしよう。「あいつ、早くいなくなってくれないかなあ~」と、四六時中妄想しても状況は変わらない。夜な夜なヤケ酒に逃避してはクダを巻いても同じことだ。これではアルコール依存に近づいてしまう。これらの行為では、現実的な対処策にならないだけでなく、怒りの元である「不安の増大」、さらには怒りの爆発の経緯となり「怒りの持続」にもなるだろう。

 このときの現実的・具体的対処策はなんだろうか。例えば「好意の返報性」を意識して、「そりが合わずともコミュニケーションの改善に努める」「毎日相手の長所を一つずつ探してみる」といったことなどが挙げられるのではないか。

 対処の方法を頭で考えていても実行に移しにくい。アンガーマネジメント・テクニックには、「不安ログ」、「ストレスログ」という「怒りの元」を紙に書いて「見える化」し、上手にマネジメントしていく方法がある。自分の不安やストレスを「2つの視点」から客観的に考えられるようにする「体質改善」のためのテクニックだ。その2つの視点とは以下の通りだ。

視点その1:不安が、自分にとって「重要なこと」か「重要でないこと」かに分ける。

 視点その2:「重要なこと」ならば、自分自身で「コントロールできること」か「コントロールできないこと」かに分ける。

この2つの視点から、「重要なこと」かつ「コントロールできる」ことに力をそそげば、確実に、「心のコップ」から不安やストレスを抜けるので、イライラや怒りマネジメントできるのである。
 詳しくは、拙著『パワハラ防止のための アンガーマネジメント入門』をご一読いただきたい。 

小林 浩志 日本アンガーマネジメント協会認定ファシリテーター

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こばやし こうじ / Kobayashi Koji

 

青山学院大学大学院法学研究科修了(法学修士)。
横浜市戸塚区で社会保険労務士・行政書士の事務所を経営する傍ら、社会人大学院でパワーハラスメントの法的・実務的対策を研究。パワハラ防止策の有効なツールとしてのアンガーマネジメントを数多くの企業、学校、病院等へ紹介している。
・特定社会保険労務士、行政書士、第一種衛生管理者
・公益財団法人21世紀職業財団認定セクハラパワハラ防止コンサルタント(客員講師)
・一般社団法人 日本アンガーマネジメント協会認定ファシリテーター
・日本スポーツ法学会会員
著書に『パワハラ防止のための アンガーマネジメント入門』(東洋経済新報社)、『現場監督のための 早わかり労働安全衛生法』(共著、東洋経済新報社)などがある。

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