いい歳した地方議員が号泣したのは、なぜか 第8回(最終回) 怒りの連鎖を断ち切ろう!

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7月1日、記者会見で号泣してしまった、野々村竜太郎・兵庫県議(その後辞職)。どうしてこんなことになってしまったのか(読売新聞/アフロ)

前回は、「不安」との上手な付き合い方をアンガーマネジメント的に解説し、薬物やアルコールなどに依存しない方向性を提示した。最終回となる今回は、私たち一人ひとりがアンガーマネジメントを駆使し、自分と他人の怒りに支配されず、穏やかで快適な生活環境を創っていく担い手となれることを提案したい。 

「自己嫌悪」や「劣等感」から

怒りの感情は、他人や物だけでなく、自分に向けられることがある。自分に非がありながらも、わずかながら言い分があるのに誰も聞く耳を持ってくれないとき、「誰も自分の気持ちをわかってくれない」「誰も自分を認めてくれない」といった不満を抱き、いわゆる「逆ギレ」をしてしまうような人がいる。

 「自己嫌悪」や「劣等感」が第一次感情(第4回参照)となり、それらは時に怒りとなって爆発するが、矛先として他者や物には持って行きようがなく、むやみに泣き叫んでしまうような状態に陥ることがある。

 先日、不自然な政務活動費を巡る疑惑を向けられた野々村竜太郎・兵庫県議(その後辞職)の号泣会見などは上記の典型例と言えないか。選挙民から見捨てられる不安に怯え、他人の反応をうかがいながらも、疑惑に対する正当な抗弁ができず、質問とは無関係なことを叫びながら号泣してしまった。

 衆目の集まる中で感情をコントロールできなかった、47歳の地方政治家は、己の未熟さを露呈し、選挙民からの信頼を大きく損い、政治家として致命的なミスを犯してしまった。

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