某ファミレス「人気ピザ」とチーズの裏側 日本人だけが喜んで「ニセモノチーズ」を食べている

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(写真:jazzman / PIXTA)
N君:「植物性タンパク」でカサ増ししたハンバーグといい、時間の経った「カット野菜」のサラダといい、この店、ボロボロですね……。どのファミレスも似たり寄ったりかもしれませんが……。あっ、最後に注文した「ミックスピザ」が来ました! ピザは……どうですか?
河岸:(一口食べて)冷凍品を仕入れて、チンしただけだね。でも、ファミレスで自家製ピザを期待する人はいないから、別にいいんじゃない。
N君:まあ、そうですよね……。スーパーで売っている冷凍ピザと大差ないってことですか?
河岸:この店はそうだね。上にのっているピーマンは韓国産じゃないかな。それにしても、このピザはチーズがひどいね。
N君:チーズですか? 生地は冷凍品でも、チーズは普通に焼きたてでおいしいと思いましたが。
河岸:このチーズは「チーズフード」といって、本物のチーズを水と小麦粉で薄めてカサ増ししたものだよ。いわば「ニセモノチーズ」。チーズの味も風味もないね。
N君:えっ? 「ニセモノチーズ」ですか? チーズ、好きなのに……ショックです!

 

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前回、前々回に引き続き、ここは都内某所にある大手ファミレス・チェーン店です。新刊『「外食の裏側」を見抜くプロの全スキル、教えます。』執筆のための“市場調査”で、編集者のN君(34歳)と一緒に足を運びました。

前々回「人気ハンバーグの裏側」は、自他共に認める「肉のプロ」として、「植物性タンパク」でカサ増ししたハンバーグに激怒したという話をしました。

前回「人気サラダの裏側」は、「次亜塩素酸ソーダ」で何度も洗浄し栄養もおいしさも抜け落ちた「カット野菜」がサラダに使われていること、また輸入野菜のうち、95%が外食・中食に回され、その半分以上が中国野菜だという「現実」について述べました。

ファミレスシーズ3部作の“完結編”として、今回取り上げるのは「ピザ」です。

ファミレスでもイタリアンでも、ピザは人気メニューのひとつです。それにN君のように、老若男女を問わず、日本人はチーズが大好きです。

しかし、日本人が食べているチーズの多くは、残念ながら、世界標準で見れば「ニセモノチーズ」です。外食で使われているチーズの9割以上は「ニセモノチーズ」だと思って、およそ間違いないと思います。これほど外食に「ニセモノチーズ」がはびこっているのは、世界中を見渡しても日本だけです。

なぜ、日本人だけが喜んで「ニセモノチーズ」を食べているのか? なぜ外食には「ニセモノチーズ」がはびこっているのか?

今回は、某ファミレスの「人気ピザ」を題材に、日本人が大好きな「チーズの裏側」を公開します。

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