某ファミレス「人気ピザ」とチーズの裏側

日本人だけが喜んで「ニセモノチーズ」を食べている

チーズが51%以上入っていれば、残りは水と小麦粉でも「チーズフード」と呼べる

N君:で、今回のピザに使われている「チーズフード」というのは?

河岸:「プロセスチーズ」「ナチュラルチーズ」を溶かして、水と小麦粉を加えて「乳化剤」「香料」などを混ぜて固めたものが「チーズフード」。

N君:なぜそんなことをするのですか? 水と小麦粉を加えるのはカサ増しのためですか?

河岸:そう。「チーズフード」は、「プロセスチーズ」よりもチーズの含有量が少ない分、価格が安くなるから。ピザに限らず、ドリアやグラタン、惣菜パン、チーズ加工品などにもよく使われているよ。

N君:みんなチーズと思って食べているけど、それは厳密には「チーズフード」のことも多いということですね。

河岸:外食で食べるチーズの9割以上は「チーズフード」と思って、まず間違いないと思う。みんなチーズだと思って食べているけど、プロが食べれば、水っぽくて薄く、チーズ本来のうま味も風味もどこにも残っていないものも多いね。

N君:それが「ニセモノチーズ」と呼ばれるゆえんなのですね。

河岸:日本の法律では、製品中のチーズ分の重量が51%以上あれば、「チーズフード」と表記することができるからね。

N君:「チーズフード」は世界中で使われているのですか?

河岸:アメリカでも使われているけど、日本ほどはひどくない。ここまで「チーズフード」がはびこっているのは、世界でも日本だけだよ。

N君:日本人だけが喜んで「ニセモノチーズ」を食べている、と。

河岸:イタリアを旅行した人が「ピザがおいしかった」「パスタがおいしかった」と口をそろえてよく言うでしょう。あれはチーズの力によるところが大きいの。本物のチーズはそれくらいおいしいものだから。

(N君との後日談は、最終6ページに続きます)

次ページ外食にニセモノ食品がはびこる2つの理由
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