いい歳した地方議員が号泣したのは、なぜか 第8回(最終回) 怒りの連鎖を断ち切ろう!

✎ 1〜 ✎ 7 ✎ 8 ✎ 9 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

理想の日がやってくることをイメージ

では、怒りに支配されない理想的な生活を実現させるためのアンガーマネジメント・テクニックである「ミラクルデイエクサイズ」を紹介して、この連載を締めくくりたい。

① その内容とは
 自分が抱えている「怒りの問題」がすべて解決している理想の日(奇跡の日)をイメージすることで、その日に向かうための方向性や目的を明確にし、自分が「できること」を実践していくテクニックである。

号泣議員の例のように、自分へ怒りが向かいやすい人ならば、「自己嫌悪」や「劣等感」をなくしていくトレーニングを積むことだ。それには「自己肯定感」を育むのがいい。自己肯定感とは、「自分は大切な存在だ」「自分はかけがえのない存在だ」と思える心の状態である。対義語は「自己否定感」。

自己肯定感を育てるためにできる簡単なことはいろいろとある。たとえば、「通勤電車で高齢者席を譲ったりするなど親切なことをして気持ちよく過ごす習慣をつくる」「失敗してしまった場合は一時的なものと考える癖をつける」「簡単に成功する目標をいくつか立てて成功体験を重ねる」などだ。

ついつい部下にパワハラ的言動をし、後悔をしてしまう人ならば、「試しに丸一日だけ、とにかく徹底して穏やかに振る舞ってみる」ことをお勧めする。自分の気持ちとは裏腹でも、言葉遣い、表情、仕草などを極力やわらかくし、部下がどんなミスを犯しても、冷静に対処することを実践してほしい。

難しいようであれば、誰かの真似をしてもいい。尊敬する先輩でも、好きなタレントでも、歴史上の人物でも構わないので、穏やかで信頼の厚い人物のキャラクターを演じてみるのだ。
   
② 効果、メリットは
 自己肯定感が育まれた人は、自分に自信がついて、第一次感情の「水」を減らすことができるだろう。穏やかな振る舞いができるようになった人は、部下からの好意的な反応に驚くかもしれない。その他、解決思考、未来思考で日々を過ごすようになるので、過去の怒りを引きずらなくなるし、ゴールをイメージすることで、モチベーションやテンションがあがってくる。また、ワクワクしているときには、つまらないことで怒りにくくもなるだろう。

 

怒りに支配されない理想的な日はどんなに素晴らしいか。そんな日の気分はいかに快適かを想像してほしい。怒りに支配されていた人にとっては「ミラクルデイ」となるだろう。

レッツ・アンガーマネジメント! みんなで怒りの連鎖を断ち切れれば、理想は叶い、ミラクルデイを迎えられるのである。詳しくは、拙著『パワハラ防止のための アンガーマネジメント入門』をご一読いただきたい。 

小林 浩志 日本アンガーマネジメント協会認定ファシリテーター

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

こばやし こうじ / Kobayashi Koji

 

青山学院大学大学院法学研究科修了(法学修士)。
横浜市戸塚区で社会保険労務士・行政書士の事務所を経営する傍ら、社会人大学院でパワーハラスメントの法的・実務的対策を研究。パワハラ防止策の有効なツールとしてのアンガーマネジメントを数多くの企業、学校、病院等へ紹介している。
・特定社会保険労務士、行政書士、第一種衛生管理者
・公益財団法人21世紀職業財団認定セクハラパワハラ防止コンサルタント(客員講師)
・一般社団法人 日本アンガーマネジメント協会認定ファシリテーター
・日本スポーツ法学会会員
著書に『パワハラ防止のための アンガーマネジメント入門』(東洋経済新報社)、『現場監督のための 早わかり労働安全衛生法』(共著、東洋経済新報社)などがある。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事