ピルの効果は避妊だけと思う人の大いなる誤解 生理で年6800億円損失、向き合い始めた企業も

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管理職がセミナーを受けていることが社内で周知されることにも意味がある。女性特有の体調不良について話をしにくい関係性であっても、上司が理解していると思えば、社員は多少なりとも安心できるからだ。

生理に関する健康課題への対策が企業で少なかったのは、管理職に女性が少ないことが一因だろう。総務省によると、管理的職業従事者に占める女性の割合は2019年で14.8%にすぎない。

女性経営者が導入例を作ることが重要

Surpass社の石原氏は、「男性が生理痛などを理解するのは難しい。したがってピル処方を福利厚生として採用する考えに男性経営者は至らないだろう」とみて、女性経営者が率先して導入例を作ることが重要だと考える。

企業が昨今注目するダイバーシティー(多様性)の文脈でも、社員が生理などについて理解することは、目線や経験の違いを活かすことにつながると話す。

健康経営という観点から、ようやく光が当たった「生理」。ピル処方という選択肢は、より女性が働きやすい環境への一歩となりそうだ。

兵頭 輝夏 東洋経済 記者

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ひょうどう きか / Kika Hyodo

愛媛県出身。東京外国語大学で中東地域を専攻。2019年東洋経済新報社入社、飲料・食品業界を取材し「ストロング系チューハイの是非」「ビジネスと人権」などの特集を担当。現在は製薬、医療業界を取材中。

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