ピルの効果は避妊だけと思う人の大いなる誤解 生理で年6800億円損失、向き合い始めた企業も

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「ピルという解決策があるのに、日本ではなぜタブーなのか」。石原氏はそう考えた。Surpassの社員の約8割が女性だ。石原氏自身はピルが体に合わなかったが、「社員にピルという選択肢を知ってもらいたい」という思いを強くした。

そこで2020年11月、ピルのオンライン処方などを行うベンチャー企業・ネクイノ(大阪府大阪市)のサービス、「スマルナ for Biz」を福利厚生として試験導入した。2021年2月から本格導入に踏み切る。

「頑張りなさい」の一言で我慢してしまう

スマルナはアプリをダウンロードしてチャット上で医師の診察を受けると、処方されたピルが自宅ポストに届くサービスだ。料金は、低用量ピル1カ月分が処方されるプランで約4000円。診察代やシステム利用料、送料が含まれている。ピルが毎月届く定期コースもある。もちろん副作用もあるため、半年に1回は婦人科か内科で血液検査をすることが推奨されている。

スマルナアプリの利用イメージ。提供するネクイノの石井社長は「女性の上司や母親が自身の生理痛が軽い場合、『頑張りなさい』と言ってしまう。そうすると病院に行くべき状態でも我慢する人がいる」と語る(提供:ネクイノ)

ネクイノの石井健一社長は、最もよいのは直接医療機関で相談することだとしながらも、女性が生理の悩みで医療機関にかかるハードルの高さを指摘する。それは通院する時間的余裕がないといったことだけではない。

「女性の上司や母親が自身の生理痛が軽い場合、『頑張りなさい』と言ってしまう。そうすると病院に行くべき状態でも我慢する人がいる」(石井氏)。このような悩みを聞き、チャットのような気軽に相談できる場が必要だと考えた。

生理痛は個人差が大きい。人によっては痛みで1日寝込んでしまうことや、常用していた鎮痛剤が効かなくなることがある。

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