だって、大学院ってさ。休学できるじゃん。休学している間だって、研究は続けられるわけだし。研究って、どこでもできるし。だから、「ボクが大学院生の間に、キミが産んでさえくれれば、ボクが子どもを育てるよ」と言ってさ。あなたが子どもを育ててあげて、彼女に恩を売っておくといい(笑)。子育てが大変なのって、3歳くらいまでだから。
あなたたち、2人とも仕事で激務に入ったら、もう産めないかも。チャンス逃すよ。妊娠・出産なんて、弾みだから。それを逃すと、機会はそうはない。だから今のうちに、「産んで、お願い」って言えばいいんじゃないかなって、上野は思います。どうかな?
E:でも、経済的問題がありますよね? 僕は無収入ですし、今の日本で子どもを育てるのって、おカネがかかるじゃないですか。
上野:3歳までは、ほとんどおカネはかかんないよ。
E:でも、その後の経済が。日本で子どもを育てるだけの稼ぎが僕に稼げるか、不安で……。
上野:子どもがいる女の就活は、ものすごくハンデがつくけれど、子どものいる男の就活ってハンデにならないから大丈夫。
それにね、子どもが成長したときに、「オマエのオムツ、父ちゃんが変えたんだぞ」って言える関係を作っておくと、子どもとの関係がすごくよくなると思うよ。
E:考えたいと思います。ありがとうございます。
東大生には一生、かなわないのか?
上野:では、時間が来たのでそろそろ終わりますか。
あら、そこの女性、何か言い足りなさそうなお顔。何かご質問はありますか?
女子学生Fさん(以下、F):あのー、私は、ほかの大学からこの春、こちらの大学院に入ってきまして……。それで、東大から上がってきた大学院生は皆さん優秀で、気後れを感じていまして。
あこがれの東大の大学院に入ったのですが、同期との差も感じるし、この1カ月がすごくつらくって。この先も研究者としてやっていきたいのですが、頑張って行けるのか不安で……。研究者としてやっていくうえで、何かアドバイスがあったら、教えてください。
上野:外部から進学した院生って、東大から上がってきた院生にいじられるんだよねぇ。特に男子学生に。あなた、大学院に入ってまだ1カ月でしょ。あのね。最初は、ちょっとの差を見つけて、その差を絶壁のように感じるかもしれない。でも、時間の問題よ。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら