よく見てみなさいって。内部から来た人も、たいしたこっちゃないから。安心して。だんだん、内幕がばれていくから(笑)。彼ら彼女らは、こけおどしの仮面をかぶるぐらい、不安を持っている。その人たちも、今後、研究者としてやっていけるかと不安に思っているでしょう。
研究ってね、短期決戦では勝負はつかない。研究者の業界は、ほかの業界に比べてまだいくらかマシと思うことがある。それはね、業績評価が、ほかの業界と比べてまだ公平だってことよ。個々人の業績をちゃんと見てくれる人がいる。だから、頑張ってやっていこうと思えるの。
では、評価対象となる業績とは何かと言えば、学歴や年齢じゃない。何を出すか、アウトプットの勝負だけ。そして、それは、さっき言ったように短期間では決まらない。大学院に入って1カ月やそこらの勝負じゃない。
だったら、自分が、やりたいと思うことをやればいい。自分がやりたいと思うことが、中長期的に、いちばんパフォーマンスが上がるからです。
大学院生は、極道?!
私はね、大学院生って「極道」だと思っているの(笑)。
だって、あなたたち、この研究しろって、誰かから命じられた? 自分で選んだ研究テーマでしょ。それを好きでやっているんだから、たまたま評価されたらラッキー。評価されなくても、文句言いっこなし。そう思っているの。
大学の教員には、先ほども言ったとおり、定年があります。でも、研究には定年がない。だからこそ、私は65歳の今も、好きな研究をやっている。こんな極道を選んでおいて、ホント、よかったと思ってるわ(笑)。極道って、道を極めるってことでもあるからね。手間暇かかるけどねぇ。でも、だからこそ、暇が潰れるとも言える。人生の最高の暇潰し、最高の道楽ですよ。よくぞ、学問の道を志されましたね。よかったですね。
F:本当にありがとうございます。頑張ります!
上野:最後は、明るいオチになってよかったわ。それでは、皆さん、今日はどうもありがとうございました!
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