安河内:ブームが起こること自体は、なんら悪いことではないと思います。そこでEFL環境で英語を習得した人たちが、正しい英語学習法をみんなにあまねくフィードしていくことをしないと。今、多くの日本人が信じている通信教材などを見ると、われわれがこういう場でしている議論とかけ離れていて、まったくありえない次元のオカルトだったりするんですよね。
水野:だからこそ、そこにはALT(外国語指導助手)の問題もあるんじゃないですか。安河内先生は「EFL環境で英語を習得した人たちが」とおっしゃいましたが、委ねる現場にはALTがけっこう入って来ていますよね。
安河内:ゲスト講師としてですね。私はどちらかというとALTには賛成なのですよ。外国人の若者がアジアの日本にやってきて……。
水野:外国人というのはどういう人のことをおっしゃているのですか。
安河内:ニュージーランド人とかスリランカ人とかインド人とか。
水野:ほとんどいないじゃないですか。
安河内:いや、来てますよ。
水野:でも、ほとんどがネーティブスピーカーですよね。
安河内:主にはそうですね。
水野:そうなると、英語が国際共通語というのは無理があるのですよ。やはりネーティブのものということになりませんか。
安河内:すべてのALTをアメリカ、イギリスから来てもらうというのは難しいですよ。
水野:つまり、うちの学校にはネーティブの先生が来てラッキー、うちにはネーティブではない先生が来る、という状況にもなりますね。
安河内:同じALTが決まった学校だけに行くのではなく、いろんな学校を回ればいいのではないでしょうか。
水野:その費用はどこが負担するのですか。
安河内:そこに話がいくと、ちょっと英語教育からそれて完全な政策議論になってしまいますので、こうしましょう。英語教育の当事者である子どもたちや、子どもたちの親世代が、きっと気になっているであろうことについてお話ししてみませんか。政策を決める政治家だって官僚だって、私だって家に帰れば親であったりするわけですから。
(構成・撮影:宮園厚司)
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