「植物肉」がコロナ禍で普及モードに突入の意外 大豆タンパク素材シェア1位の不二製油が牽引

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コロナ禍以前から植物性タンパク素材の需要は徐々に高まっていた。日本植物蛋白食品協会によると、肉の食感を再現することなどに使われる粒状大豆タンパクの国内生産量は、2010年の2万3560トンから2019年には3万3297トンと1.4倍に増えている。

不二製油は昨年6月、千葉工場(千葉市美浜区)内に粒状大豆タンパクを製造する新工場を新設した(提供:不二製油)

不二製油は需要の高まりを受けて、2020年夏に大豆タンパク素材の新工場を稼働させた。受注は足元でも増える一方だという。

「2030年までに国内の植物性由来肉食品の市場を1800億円とし、(代表的な大豆由来食品である)豆腐の7~8割の市場規模になるよう育てていきたい」と、鈴木氏は意気込む。

普及に向けた課題は「味」

ただ、植物肉については「まずい」といった味へのマイナスイメージが根強く、「お店でメニューとして並んでいても、売れるというところまでは来ていない。より美味しくしていく必要がある」(鈴木氏)。また、加工しづらいといった課題も残る。

環境負荷の軽減という点では、「ハンバーガーなど肉を多く食べる欧米と比べて、豆腐など大豆食品が浸透している日本では植物肉などの代替肉を使うメリットがわかりにくい」(同)。日本において、欧米市場と同様の成長を見込むのは難しそうだ。

とはいえ、植物肉の認知が進んできたことは事実。2017年に日清食品がカップヌードルの「謎肉」に大豆が使用されていると公表するなど、いまや消費者への訴求に一役買う存在に変わった。食スタイルの1つとして日本に根付く日はそう遠くないはずだ。

兵頭 輝夏 東洋経済 記者

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ひょうどう きか / Kika Hyodo

愛媛県出身。東京外国語大学で中東地域を専攻。2019年東洋経済新報社入社、飲料・食品業界を取材し「ストロング系チューハイの是非」「ビジネスと人権」などの特集を担当。現在は製薬、医療業界を取材中。

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