「植物肉」がコロナ禍で普及モードに突入の意外 大豆タンパク素材シェア1位の不二製油が牽引
油淋鶏(ユーリンチー)風というその唐揚げは、噛むと柔らかい肉の繊維感がある。ほかに注文した棒々鶏風サラダとラザニアも、それぞれに入っている鶏肉とひき肉の食べ応えはお肉そのもの。事前に知らされていなければ、それらが大豆でできていることに気づかなかったかもしれない。
東京・有楽町の複合型店舗「有楽町micro FOOD & IDEA MARKET」。そこでは2020年11月下旬から2週間の期間限定で、肉のような食感を味わえる「大豆ミート」(粒状大豆タンパク)などを用いたメニューが提供された。
大阪市内の大丸心斎橋店に店舗を構える「UPGRADE Plant based kitchen」(アップグレードプラントベースドキッチン、以下アップグレード)とのコラボ企画だった。
国内シェア1位の大豆素材を活用
アップグレードを出店・運営するのは不二製油グループ本社。チョコレートやパンに使われる植物性油脂の大手で、食品メーカーなど主に企業向けに製品を販売している。業務用チョコレートのシェアは世界3位、国内で1位だ。
大豆タンパク素材や大豆タンパク食品を製造販売する大豆加工素材事業も展開している。プロテイン飲料や肉の代替素材などに使われる大豆タンパク素材は国内シェア1位。アップグレードが提供するメニューは、それら自社素材を活かしたものだ。
不二製油がアップグレードを出店したのは2019年9月。直接販売する機会の少ない一般消費者を対象に、大豆肉をはじめとする植物性素材の認知を広げるという狙いがあった。期間限定とはいえ東京でも出店したのは、フードテックやSDGs(持続可能な開発目標)の観点から、大豆ミートへの関心が高まってきたからだ。
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