以上を受けた、これからの紅白の方向性について、一視聴者、一紅白ファンとしての私案を述べておきたい。
① 第1部と第2部に変化を付ける
4時間15分(中間のニュース含む。それでも2019年紅白よりは15分短縮しているのだが)はさすがに長い。最近のドラマが、1クール内を「○○編」「✕✕編」と分けるように、第1部と第2部に変化を効かせて、視聴者を飽きさせないようにする。
② 第2部を「リアリティー紅白」とする
ここが最大の転換ポイント。別名「FIRST TAKE 紅白」。最高の生歌に加えて、最高の演奏陣による生演奏、もちろん収録なし、一発勝負の完全生放送という、ステイタス感のあふれる紅白へと転換する。先述のとおり、音楽シーンのトレンドを考えると、若年層ターゲット含めて、この方向性に市場性はあると考える。
ちなみに、2020年紅白で、個人的に魅力を感じたYOASOBI、星野源、玉置浩二について「リアリティー度」を評価(ただし筆者が見て聴いた上での推測)すると以下の表となる。
ここでの提案は、上表の枠をすべて「◎」にするというものである。もちろんハードルは高いだろうが、乗り越えたときの果実も巨大だろう。
③ 第1部は「ファンタジー紅白」に特化
第2部を「リアリティー」で特化するのに対して、第1部は「ファンタジー」に特化させる。「3生」に拘泥せず、「音楽」というより「コンテンツ」としてのエンターテインメント性に特化することで、第1部の視聴率を底上げしたい。アイドル系や企画性の強い演出は、こちらにまとめる。
④ (②③に向けて)会場の分散も継続
「リアリティー紅白」「ファンタジー紅白」を徹底的に追求するための装置として、今回同様、会場を分散化し、進行もスムーズにする。
「リアリティー紅白」に向けた人選を
今回のメンバーの中で、第2部「リアリティー紅白」を2時間45分持たせる人選ができるのか、という指摘が聞こえてきそうだが、これは問題の立て方が逆で、「リアリティー紅白」というコンセプト前提で、ゼロから人選をするべきだと考える。
音楽ファンなら、「リアリティー紅白」に出てほしい音楽家を、何人・何組でも思い浮かべることができるだろう。それでも実際問題として人選が苦しければ、時間を短縮したっていいとさえ思う。そもそも昭和の紅白は21時開始だったのだから。
最後に。2020年紅白の玉置浩二は、その「リアリティー紅白」のトリを、十分に務められる水準だったと思う。
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