研究で判明「睡眠が足りない人」が求める食事 食事と睡眠の切っても切れない関係がわかった
2020年は、睡眠にとってあまりよい年ではなかった。新型コロナウイルスのパンデミック、休校や休業、紛糾したアメリカ大統領選挙などが、眠りを妨げてきた。
睡眠の専門家は、ストレスに起因する不眠症を克服するためのさまざまな方法を提案する。例えば、定期的な運動、寝る前のルーティーン、デジタル機器の画面を見る時間やソーシャルメディアの利用を減らすなどだ。
しかし、睡眠を妨げるもう1つ重要な要因がある。それは食事だ。口にする食品が睡眠に影響することが、さまざまな研究で示されるようになっている。反対に、睡眠のパターンが食品の選択に影響している可能性も見えてきた。
不眠と食事の質の関係
研究でわかってきたのは、砂糖や飽和脂肪酸、精製された糖質などを多く摂取すると睡眠が妨げられ、一方で、植物や食物繊維、不飽和脂肪酸をより多く含んだ食品、例えばナッツやオリーブ油、アボカドなどを食べると、よい眠りが促されるようだということだ。
睡眠と食事に関して私たちが知っていることの多くは、大規模な疫学研究によって得られたものだが、それらの研究では、継続的な不眠に悩んでいる人は食事の質が悪いことが示されている。タンパク質や野菜、果物の摂取量が少なく、甘い飲み物やデザート、超加工食品などから糖分を多くとっているのだ。
しかし、疫学研究は本質的に相関関係を示すだけで、因果関係を示すものではない。例えば、質の悪い食事をするとそれが不眠につながるのか、あるいは、不眠が質の悪い食事につながるのかを解き明かすことはできない。