マンション住民の困惑、ずさんな施工や修繕計画でトラブル続発
また、長期修繕計画の中には、30年目以降の修繕項目として入れるべき重要な設備の更新費用が計上されておらず、その不足金額が3億4000万円にも上ることが今回の調査で新たに判明した。
このように、コスモスライフとコスモスイニシアの業務が、プロと呼ぶ水準には達していなかったのは明らかだ。
しかし、両社は、長期修繕計画の再策定や設計図書の引き渡しなど、管理組合が求めた対応の多くを渋ったうえ、昨年5月には「契約期間の満了」を理由にコスモスライフが管理組合に対し、管理委託業務から撤退する方針を通告。そして今年1月、コスモスイニシアが東京地裁に債務不存在確認訴訟を起こした。
宅建業法第31条およびマンション管理適正化法第70条ではともに、「(業者は)信義を旨とし、誠実にその業務を行わなければならない」と規定されている。しかし、「罰則がないことをいいことに、両社は誠実な対応を拒否している」と田中理事長は非難する。
手抜き判明後に倒産 駐車場施設で問題多発
あまり知られていないが、マンション会社と住民とのトラブルは、各地で発生している。その中には、業者の対応のまずさによって紛争が拡大した事例も少なくない(具体事例は下表参照)。