マンション住民の困惑、ずさんな施工や修繕計画でトラブル続発


 高度成長期であれば、売り方が多少乱暴でも、結果オーライとなりやすかった。しかし、低成長が続き、人口の高齢化が進む現在、居住者の将来の所得増を当てにした修繕積立金の計算が成り立たないことは明らかだ。

不十分な説明で紛争発生 現場任せの対応は限界

にもかかわらず、販売・管理会社は経済情勢を踏まえた修繕積立金の設定や顧客への十分な説明をしてこなかった。その結果、重要事項について「きちんと説明を受けていない」というトラブルが発生する。

他方、購入者ももっと賢くなる必要がある。マンションは本体の購入金額が高額であるため、購入額ばかりに関心が集まり、反面、月々の管理費や修繕積立金が適正か否かについて目が届きにくい。

顧客が油断していると、悪質な業者につけ入るすきを与える。無論、トラブルの第一義的な原因は、マンション販売会社の姿勢にある。

企業は自社に不利な情報であっても、きちんと開示していくことが必要だ。そのうえで、責任を持って顧客に対応していくことが、評価される時代になってきた。

トラブル発生時にも法的責任を超えた販売・管理会社としての社会的責任を自覚し、問題に真摯に向き合い対応を図る必要がある。社会の価値観が大きく変化する中、このような業界にとって本質的な問題については現場任せにせず、経営者自身が正面から向き合うことが必要だ。

(岡田広行 撮影:引地信彦 =週刊東洋経済2010年4月3日号)

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