彼はダウンタウンのオフィスで会うことを了解してくれ、惜しげもなく「世界最高の雑談術」を教えてくれました。
彼のパーティーで、そのスキルを実際に試したところ、これまた不思議、あっという間に緊張感なく話が弾んだのです。
「徹底して『質問の達人』になれ」
たくさん教わったスキルの中で、印象に残っているのは、「『誰もが自分と話したがっている』と思い込め」というものでした。「多くの人が自分から話しかけられず、話しかけられるのを待っている」というのです。
そして、「万が一、誰かに冷たくされても、必ず、喜んで話をしてくれる人はほかにいるから」と断言されました。
確かに、それまでの私は「迷惑ではないか……」「嫌がるのではないか……」と勝手に思い込んで、自ら「壁」を作り、一歩踏み出せずにいたのです。要は「思い込み」を逆転させるということでした。
もう1つ学んだのは、「徹底して『質問の達人』になれ」ということでした。
雑談といえば、ノウハウ本などでは、「天気」や「健康」などの鉄板ネタを語れ、とよく紹介されていますが、「自分が相手に何を話すか」という「私」主語の発想で、自分が「マイク」を握りつづけるかぎり、雑談はいつまでたってもうまくなりません。
雑談・会話では「話す」のではなく、「質問する」「聞く」、つまり、「徹底した聞き上手」でなければならない、と言うのです。
「最高の聞き手」になるカギを握るのが「問いを立てる力」。これこそが「会話力の神髄」だったと彼は教えてくれました。
みなさんもぜひ、試しに「30分間、自分の会話に意識を向けて」みてください。もしその間に、「相手への質問が3つ以上出ていなければ、要注意のサイン」です。
スイッチが入ると「自分の話が止まらない人」、あるいは「話も質問もせず、会話が進まない人」、はたまた「会話の中で、まったく質問しない人」は、みなさんの周りにもいないでしょうか?
「よりたくさん質問した人のほうが相手のことをよく知ることができ、好意的に受け止められ、2回目のデートにこぎつける確率が高かった」というハーバードビジネススクールの准教授らの研究もあります。
多くの人が「質問力」の驚異的なパワーを過小評価しているのです。
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