その意味でレヴォーグの開発陣は、単に自分の担当技術だけを極めるのではなく、われわれユーザーが手にする“レヴォーグ”として目指した走りを具現化するため協調して開発にあたってきたという。
例えば、先進安全技術であるアイサイトXの担当者が目指した性能を、走行性能や乗り心地、衝突安全性能を担当するボディ設計の担当者も情報を共有して完成度を高めてきた。一見すると無駄が多いように思えるが、結果的に早く、確実に、効率よく1台のクルマを作り上げていくことにつながっている。
トヨタ「ヤリス」の開発プロセスと大方で被る
スバルがレヴォーグでとったこうした開発プロセスの共有化は、トヨタ自動車が「ヤリス」で実行した開発プロセスとも大方で被る。取材したヤリスの開発陣は、「TNGA思想に基づいたクルマ作りを行うには、各分野の技術者が共通言語で話すことが重要だ」と語った。
冒頭で触れた今年の日本カー・オブ・ザ・イヤーはレヴォーグが獲得したわけだが、投票を行った60名からなる選考委員はそれぞれに選考基準がある。
筆者は、選考委員を拝命した2010年から、①パーソナルモビリティーとしての素養があるか、②30年後の自分が安心して乗れるクルマ作りがなされているか、この2点を選考基準として掲げてきた。過去、①と②の両方、もしくはどちらか秀でているクルマに満点である10点を投じたが、今年は②の理由からレヴォーグを10点とした。
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