あえて「衝突映像」を公開するスバルの企業姿勢 JNCAP大賞獲得を支える「安全」へのこだわり
スバルは、恒例のメディア向け情報公開の場「SUBARUテックツアー」を、5月24日にオンラインで開催した。内容は「レヴォーグ総合安全性能説明会」なのだが、開催案内がメールで来た時点では「なぜ、このタイミングなのか?」という疑問を持った。
まずは、説明会前半のプレゼンで、後席のシートベルト装着の重要性について説明する映像が流されたのだが、これが実に衝撃的だった。
レヴォーグの後席にシートベルトを装着したダミー人形と、装着していないダミー人形を並べて乗せ、64km/hでオフセット衝突を行った際の映像である。
オフセット衝突とは、対向車や障害物に対して、クルマ前方の約半分がずれた状態(オフセット)でぶつかる衝突のこと。全面衝突よりも衝撃が大きく、映像ではフロントガラスより前の車両半分がグチャグチャに壊れた。
車両開発安全部の古川寿也部長は、実験後の車両の前で「(車両前部が)ご覧のような状態になっても、このように(前の)ドアはしっかり開くなど、(人が乗る)キャビン部分は(ほとんど)変形していない」と説明する。
さらに、後席のドアを開けると、シートベルトをしていたダミー人形が実験前のような状態で座っているのに対して、シートベルトをしていないダミー人形は、前席まで飛び出しており、頭を下にして逆立ちをしたような恰好になっていた。
なぜ、衝突映像を公開するのか?
続けて、衝突時の車内の様子を写した映像が流れると、衝突の瞬間、シートベルトをしていないダミーは前席のダッシュボードに頭から飛び込むように衝突し、身体がそり上がってお尻の部分が天井に強打したあと、助手席に頭から着地。ルーフ部分は、変形していた。
映像を見る限り頭部への損傷は大きく、実際の乗員であれば命にかかわる状態になることが想像できた。
今回、このような衝突映像を公開した理由について、古川部長は「スバルは衝突安全に対する様々な開発を行ってきているが、シートベルト着用が乗員保護の基本だ」と、シートベルト着用の重要性を強調した。
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