中国の「巨大EC祭り」日本企業が稼ぎまくるコツ 独身の日のアリババの取引額は7兆円規模に
そんな中で日本企業は他国のブランドとどう戦っていけばいいのだろうか。「今では中国市場は徹底的な消費者分析を行い、ターゲティングする時代に突入したため、日本企業は明確な差別化および長期的なブランド戦略が必須だ」と中国EC市場の開拓に詳しい、カルビー(杭州)食品有限公司の小松立夫氏は指摘する。
価格競争では自社商品の本当の価値を認識してもらうのが難しく、パフォーマンス広告(運用型広告)は一時的な効果しかない。しかし、本当に中国市場で勝ち抜くには、市場を十分に把握し、自社製品を差別化する長期的ブランド広告は不可欠となる。
筆者は以前の記事でも指摘しているが、経済危機に遭うとき、アメリカは生産・人員コストを減らす一方で、経済回復後に買ってもらうための宣伝費用を惜しまないのに対し、日本は真っ先にマーケティング費用を削り、生産と雇用に回している。
だがそれでは、経済回復後の売上高回復と成長にはつなげにくい。とくに中国EC市場では、世界の同業者と競争するために、マーケティング費用を投資し、徹底的なブランド優位を保つ必要がある。
現地目線で徹底的に調査
中国人の日本製品消費ブームはまだまだ盛り上がっているが、目が肥えてきた消費者は現在、「メイドインジャパン」だけでは満足できなくなってきており、それぞれのニーズに合うものを自ら選んでいる。
自社製品が中国でどのように認識され、誰に響き、どういう手法を使ったらECで売れるのかを現地目線で徹底的に調査する必要があるだろう。
先述のプラットフォームの細分化により、消費ニーズも多様化している。中国に未進出の日本の中小企業の商品にもまだまだチャンスがあるのだ。
カルビーも今フルグラをベースに、中国人の眠っているニーズを見つけ、新たな商品の育成とデジタルマーケティングにチャレンジしている。今後、インバウンドでタッチポイントを作り、顧客調査を実施、その情報を活用してECに展開、中国でのブランディングを確立することができれば、「カルビー」に次ぐ多くの日本企業の成功例が出てくるだろう。
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