中国の「巨大EC祭り」日本企業が稼ぎまくるコツ

独身の日のアリババの取引額は7兆円規模に

コロナが収束しつつある中国市場の動向は他国からの関心も高く、ネットショッピング上のお祭りともいえるW11は、大きな注目を集めている。

とくに化粧品といった若い中国人女性に人気なジャンルでも、コロナで外出が減少しているので、消費頻度も消費意欲も減少する傾向がある。そのため多くの高級化粧品ブランドも大幅に割引するライブコマースを選んで参戦しているようだ。

ライブコマースの割引の幅は大きいが、通常販売価格と店頭販売への影響も減らすよう、数量制限のタイムセールで展開している。タイムセールの間には、海外で買い物できない中国人消費者が、大量に外資系化粧品を購入している。

インフルエンサーへのアプローチが重要

一方で高級ブランドも商戦に参加するW11には、課題もある。アリババなどプラットフォームが大々的にライブコマースを進める理由には、格安のライブ販売を通して「トラフィック(中国語:流量)」を得ることにある。

トラフィックは消費者のアクセス数だと理解してもらえばわかりやすいと思うが、たくさんの人にアクセスしてもらうことにより、目玉の格安商品だけでなく、ほかの商品もついでに購入してもらう役割も持っている。

現在、アリババだけではなく、JD(京東)、KUAISHOU(快手)、DOUYIN(ティックトックの中国版)などさまざまなプラットフォームが中国には存在しており、プラットフォーム産業は成熟しつつある。したがって、W11に参戦する小さなプラットフォームたちもそれぞれ差別化し、細分化することで生き延びようとしている。

また、ライブコマースが盛んなために、有名なインフルエンサーは圧倒的なパワーを持っている。彼らが紹介したい商品のみ宣伝してもらうチャンスがあるため、プラットフォーム側はインフルエンサーをいかに誘致・育成するのかが課題だ。またメーカー側も彼らにアプローチしていかに宣伝してもらうかが大切になっている。

全世界のブランドが競い合う「ワールドカップ」のような競争市場である中国EC市場では、有名なインフルエンサーの影響力を利用し、新しいユーザーをプラットフォームに誘致、さらにライバルに対抗して割引することが不可欠になっているのだ。

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