中国の「巨大EC祭り」日本企業が稼ぎまくるコツ 独身の日のアリババの取引額は7兆円規模に
テレビショッピングは、元気よく商品を説明する販売員に、魅力的な商品、限定された期間内のお得な価格で、視聴者の購買意欲をそそっている。今年のW11は、まさにテレビショッピングのネット版、つまり「ライブコマース」が主流になったことが1つ目の特徴だ。
KPMGの調査によると、中国のライブコマースは2019年より爆発的な成長をしており、2020年9月末時点のユーザー数は3億人を超え、すべてのECユーザー数の4割を占めている。
また、ライブコマースに詳しい「胖球データ」によると、今年のW11では、ライブコマースを配信するインフルエンサーのTOP50の売上高は合計317.98億元(約5032億円)だった。
売り上げトップの「薇婭viya」は1人で87.6億元(1386億円)を稼いだ。商品をヒットさせたいなら優秀なインフルエンサーがいないと稼げないという、他国にはまだない「ライブコマースの急成長期」に中国は突入している。
中国のライブコマースのユーザーに利用する理由を聞くと、①インフルエンサーはお金持ちの富裕層から庶民までさまざまなキャラクター設定があり、そのときの気分で見たいインフルエンサーを選んで彼らのトークを楽しみ、またインフルエンサーと(チャット機能などで)やり取りをすることが娯楽になっている②とくに日用品・化粧品だと、効果が画面越しからもわかりやすいので安心③カリスマインフルエンサーのことが好きで彼らが宣伝するとすぐ買いたくなる。買うプロセスも簡単にできるので注文しやすい、などだ。
ラグジュアリーブランドも価格戦争に参入
一般のテレビショッピングには、高級ブランドはあまり登場しない。それは、自社のブランドイメージを守るため、価格戦争に参入しない戦略を取っているためだ。しかし今年の中国のW11では、世界中の有名ブランドが参戦しているのが、2つ目の特徴である。
2020年は、ボルボ、エスティローダー、アップル、ユニクロ、ランコム、資生堂など、海外の高級ブランドがライブコマースの限定割引や期間限定セールに積極的に参加した。割引の方法は商品・ブランドによって異なるが、店頭の2~3割引きの価格で消費者の購入意欲を高めている。
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