杉原杏璃がグラビア外に見つけた稼業の原動力 芸能1本でなく投資、事業にお金の流れを作った
結局、その取引では100万円以上の損失が出た。
「頭と尻尾はくれてやれ」。株式投資にはこんな相場格言があるが、トレードをする際はつねに気持ちに余裕を持ち、「真ん中のおいしいところだけ」狙おうと誓う出来事だった。
「『自分は何も物事を知らない』という現実を頭にたたき込んで、毎日、日本経済新聞を読んだり、『会社四季報』を見たり。100万円の授業料で学びましたね」
順調にキャリアを重ねるも、パニック障害に
その後も彼女は、大塚家具やタカタなどの売買で幾度となくピンチを迎える。それでも最終的には「銘柄選びはファン目線」という基本に立ち返り、タフなメンタルを鍛え上げていく。
社会情勢について学ぶ機会も増え、会食では「ビジネスについて何も知らない子」と言われることはもうなくなった。 まわりの大人に認めてもらえて、うれしかった。
その頃、グラビアアイドルとしても安定した人気が出始める。若い女性も多いグラビア業界で、30歳を目前にブレイクする杏璃さんのケースは極めて異例だった。売れてくるとねたむ人間が現れ、先輩のグラドルから現場で嫌味を言われたり、あいさつをしても無視されたりする出来事が立て続けに起こった。
「でも私、広島時代に気の強い先輩から散々いじめられていたので。自分は大丈夫だろうって」
同時期に株を行っていることを公表すると、「株ドル」としても脚光を浴びる。すべてが順調だと思われた矢先、彼女にショッキングな出来事が起きた。
ある日、突然パニック障害に陥ってしまったのだ。ある日いきなり、心臓がドキドキしたり、胸が締め付けられるように息苦しくなったり、めまいや胸の痛みが起こり、このまま死ぬのではないかという強い不安感に襲われる症状だ。
少しずつではあるが、予兆はあった。それは顕著に「声」に出ていたという。
地元・広島の友人と電話している途中、「杏璃ってそんなに声、高かったっけ?」と指摘された。
「芸能の仕事をしているときと、地元の友達と電話しているときで、私のしゃべり方や声の高さが違ったみたいで。『なんか変わったね』と冷静に言われたときはショックでした。意図的に声を高くしているつもりはないけれど、仕事中は気を張っていたのかもしれません。『本当の声の戻し方』もわからないし、困りましたね」
無料会員登録はこちら
ログインはこちら