じわり人気、代替肉使用「ソイバーガー」の正体 ロッテリア、モスバーガーが採用する「パティ」

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ほどよい厚さのバーガーを一口かじると、まず、レタス、トマト、玉ねぎなどの野菜の香味が口内を快く刺激。パティは食感、味わいともに軽さがある。バンズ、野菜と溶け合い、調和した味となって、口の中に広がってくるような印象だ。

しっとりしているので、歯ごたえ、舌触りは肉に近いかもしれないが、後味がとてもスッキリしているのが、やはり植物性素材ならでは。

チーズバーガーは今回試食しなかったが、これに乳製品の濃厚さがプラスされるので、さらに味わいのバランスがいいのではないだろうか。

実際に、ソイ野菜チーズバーガーのほうがソイ野菜ハンバーガーよりも売れ行きがいいようだ。同社によると、ソイパティだけでも同社としては思い切った取り組みだったので、ラインナップまでは当初考えていなかった。ところが、発売後に「チーズバーガーを販売してほしい」という声が消費者から寄せられたのだという。

しかし、ゆるいベジタリアンにとって、足りなくなりがちなタンパク質や脂肪分をチーズで補うという感覚は普通なので、そもそも当然考えられる組み合わせであろう。

年に1度だけ販売する「ジビエ鹿肉バーガー」(写真:ロッテリア)

同社ではソイミートへの対応以外にも、SDGsや環境問題を意識した取り組みを続けていくとしている。その1つとして、2016年から開始したのがジビエ鹿肉バーガー。害獣指定されている鹿肉を採用し、日本ジビエ振興協会との連携で開発した。

現時点では不定期で年に1回だけ店舗を限って販売している。そのうちの1つ、銀座店舗では、食に対する意識が高い、30代前後の女性客をターゲットにワインとともに提供。税抜720円と高級ながら、毎回好評とのことだ。

ジビエ鹿肉バーガーは今後も発売予定だが、時期は今のところ未定だ。2019年は11月29日、「いいにくの日」だったが、現時点で未発表のため、今年はその日ではないと予測される。

ほかのチェーンについても、駆け足で触れておこう。

肉に近いボリューム感があるモスバーガー

モスのグリーンバーガーは、文字どおりきれいなグリーンのバンズが印象的だ。パティには大豆のほかこんにゃくやキャベツを加え、歯ごたえを出している。

モスが5月19日に本格発売した「グリーンバーガー」(税抜き538円)。肉に近いボリューム感という意味では、今回食べ歩いた中では1番(筆者撮影)

バンズにもほうれん草が練り込んであるので、全体で野菜をたっぷり食べられる、ヘルシーなバーガーという印象だ。カロリーは299kcal。

食べてみると、バンズのほうれん草の味が思った以上に濃く感じられる、個性派のバーガーだ。厚味のあるパティはこんにゃくなどの効果だろうか、食べ応えがあり、「チキンのひき肉でできたパティ」と言われても信じてしまいそうなぐらい、お肉に近い。

ただし豆の味わいもしっかり残っていて、トマトやソースと混じり合って爽やかで奥行きのある味わいとなっている。ホームページの情報によると、バンズ生地をふっくらとさせるバターや、チキン、玉ねぎなど、うま味を出す素材を使えない分、おいしさを出すのが難しく、開発に半年かかったという。

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