じわり人気、代替肉使用「ソイバーガー」の正体 ロッテリア、モスバーガーが採用する「パティ」

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モスは従来、バンズをレタスに替えたバーガーなどヘルシー志向を取り入れてきており、ソイパティにも早くから取り組んでいたようだ。それを別にすると、世界の代替肉需要を視野に入れた販売戦略としては、ロッテリアがいち早くスタートを切った模様。

「もともとモーニングメニューとして発売しましたが、想定の約2倍という販売状況を受けて、本格的に取り組みを始めたものです。他商品のキャンペーンに左右されず、一定の率で売れ続けています」(ロッテリア販売企画課課長の緒方高行氏)

同社が製法のうえでこだわったのは、「肉の食感と後味」だそうだ。大豆粉末をいったん粒状に成型し、水分で膨らませることによって、ふっくらとした肉の食感を再現。また、後味として残りやすい大豆の香りをどうするかに苦心した。

「当初発売した商品では、大豆の香りを消すために、あえて香辛料を多めに配合していました。ただ、お客様からいただいたご意見に『香辛料が強い』との声が多かった。そこで今年5月のリニューアルで配合を見直しました」(緒方氏)

外出自粛の影響でカロリーを気にする人が増加

開発にあたっては、大豆ミートなどの植物性食を普及する団体、「まめプラス推進委員会」と連携。肉に近づけるというよりは、「大豆らしさ」を大切にしたソイパティにした。

その理由は、ソイバーガーの開発目的とも関係している。

「ソイバーガーを訴求する方法はいろいろと考えられます。その中で当社が切り口としたのが『日本人になじみのある味』『健康食』『代替肉』『おいしい食感』の4つです。女性や健康を気にしている人、ミレニアル世代など、広い層に訴えていけると考えたからです」(緒方氏)

また、本格的なベジタリアンやヴィーガン対応をうたうとなると、パティを焼く鉄板を分けるなど、特別な品質管理が必要になってくる。現時点で同社ではそこまでは考えていないということだろう。

実際の客層を見ても、想定内の20〜40代女性のほか、30〜50代男性など、あまり偏ることなく、幅広い層に購入されているという。

「1つには、コロナの影響も大きかったのではないでしょうか。外出自粛でコロナ太りが問題になっていましたから、カロリーを気にして食べるお客様も多かったと思います」(緒方氏)

ソイ野菜ハンバーガー、ソイ野菜チーズハンバーガーのカロリーはそれぞれ260kcal、302kcalと、ミートパティのバーガーに比べ30%程度低い。ソイパティそのものもカロリーが低いが、さらにマヨネーズやドレッシング、ケチャップでもカロリーやコレステロールを抑えているためだ。

コールスローサラダ、コーヒーなどと組み合わせても400kcalいかないので、ダイエット中でも罪悪感なく食べられる。

しかし、いくらダイエットのためとはいっても、味気のないハンバーガーにわざわざお金を払う気はしない。味のほどを確認するためにも試食してみた。

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