ホテル三日月「武漢帰国者」受け入れで得た教訓 GoTo取り込みのカギ握る「感染予防」の舞台裏
中国・武漢からの帰国者を国内のホテルで初めて受け入れ、全国から注目を集めた勝浦スパホテル三日月。早期からコロナと対峙した経験が今、客を呼び込む重要なポイントになっている――。
都心から特急列車で約90分、南房総の観光地として知られる千葉県勝浦市のランドマーク的存在である三日月。武漢からの帰国者受け入れなど、コロナ禍で2度の休業を経験した。
しかし、夏場以降はGoToトラベルキャンペーンの効果もあり、11月の予約数は徐々に回復基調。土曜日などは予約で満室になることもあるのだ。
創業家出身の社長が受け入れ決断
背景にあるのが、コロナ感染を心配する客に向けて、業界でいち早く講じた感染対策。緊急事態宣言が解除されて間もない6月から、医療機関が監修した独自の感染防止ガイドライン「三日月スタンダード」を公表。それを着実にアピールしてきたのだ。
三日月が帰国者を受け入れたのは1月29日。スタッフを含め、感染への恐怖や後の風評被害の懸念もあったはずだが、創業家出身の小高芳宗社長は政府からの要請に対し、「いつかどこかがやるのであれば、三日月が先にやる」と決断したのだった。
このとき、感染症科を擁する亀田総合病院(千葉県鴨川市)の医師が三日月に常駐し、スタッフは極力接触を避けてサービスを提供するなど、病院と協力して受け入れ体制を構築していった。
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