自重するディズニー、「値上げ効果」に託す浮上 上場来初の赤字見込みも、積極投資は断行

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9月下旬の東京ディズニーランド。入園制限を敷いたことにより、コロナ前と比べて入園者の密集は緩和されていたが・・・(編集部撮影)

予想されていた通りの厳しい決算。だが、オリエンタルランドの上西京一郎社長は「発表済みの大型投資についてはやりきる。危機を乗り越えた先の東京ディズニーリゾートのために、成長投資は止めてはいけない」と強調した。

国内テーマパーク運営最大手のオリエンタルランドは10月29日、2021年3月期の通期業績予想を発表。売上高は前期比60%減の1854億円、営業利益は514億円の赤字とした。通期で赤字に転落するのは上場した1996年以降初めてのことだ。翌30日の株価は前日比650円安の1万4590円と大幅に下落した。

2020年4~9月期の売上高は前年同期比76%減の591億円、営業利益は241億円の赤字(前年同期は609億円の黒字)。133億円の臨時休園特損を計上し、純利益は300億円の赤字となった。

コロナ対策で入園者数を抑制

4~9月のパーク入園者数は269万人と前年同期の1574万人から激減した。コロナの感染拡大によって2月末から臨時休園。7月にようやく営業を再開したものの、「入園者を通常時の半分以下に制限する」との業界団体のガイドラインに沿ってパークを運営してきた。再開からの3カ月、1日当たりの入園者数は単純計算で約2万9200人だ。

閉鎖していた施設を徐々に再開するなど、通常時の50%以下の範囲で徐々に入園者数を引き上げていった。それでもコロナ前(前期実績は8万8000人)からすれば遠く及ばない。

苦しい決算の中で好材料となったのは入園者1人当たりの売上高だろう。前年同期の1万1504円から1万3125円へと上昇しているのだ。

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