自重するディズニー、「値上げ効果」に託す浮上 上場来初の赤字見込みも、積極投資は断行
主な要因の一つはチケット収入。ディスニーランドかディズニーシーを1日楽しめる「1デーパスポート」を4月1日、大人で8200円へ700円値上げし、中高生も6900円と400円値上げした。両パークで使える年間パスポートは大人と中高生で8000円値上げし、9万9000円としている。
加えて、グッズと飲食の販売収入もそれぞれ増加した。会社側は「一時的な増加」としているが、客は休園中に欲しくても買えなかったグッズの買い物を満喫し、客数を制限しているため、飲食もゆとりをもって楽しんでいるようだ。
下期も我慢の状況が続く。入園者数の制限は継続する方針だ。
新エリアが入園制限の緩和に貢献
ただし、9月28日には750億円をかけた史上最大規模の新エリアがオープンしている。映画「美女と野獣」をテーマにしたエリア、映画「ベイマックス」のアトラクション、ミニーマウスのスタジオなどだ。
時期は未定だが、ランド初の本格的な屋内シアター「ファンタジーランド・フォレストシアター」もオープンを予定している。施設自体の魅力の向上はもちろんだが、新エリアのオープンによって収容能力も増加する。これにより、下期も入園制限を徐々に緩和していくため、下期の入園者数は前年同期比48.7%減の682万人を計画している。
1人当たり売上高も高い水準を保つ見通しだ。上期の1万3125円には及ばないものの、下期は1万2549円を計画する。ハロウィンやクリスマスなどスペシャルイベントの中止によってグッズ販売収入は減るが、チケット価格の改定効果と飲食販売収入の増加でカバーする見通しだ。10月1日からランドでアルコール飲料のテスト販売を開始しているのは、こうした単価向上の取り組みの一つだろう。
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