中国政府は11月2日、2025年の国内の新車販売台数に占める「新エネルギー車」の比率を20%前後に高める目標を正式に打ち出した。国務院弁公庁が同日発表した、2021年から2035年までの「新エネルギー車産業発展計画」のなかに盛り込まれた。
新エネルギー車とは、中国政府の定義では電気自動車(EV)、プラグインハイブリッド車(PHV)、燃料電池車(FCV)の3種類を指す(訳注:通常のハイブリッド車[HV]は含まれない)。中国では新エネルギー車の普及および関連産業育成を後押しする政策が2009年から施行されており、すでに世界最大の新エネルギー車市場となっている。
中国工業情報化省は新エネルギー車産業発展計画の草案を2019年末に公表し、パブリックコメントを募った。この草案では2025年の販売比率の目標を25%としていたが、関連業界では目標達成は困難とする意見が多かった。それを受けて、正式版の計画では目標が20%に下方修正された。
2035年までに最先端のコア技術を習得
中国汽車工程学会が10月27日に発表した最新の予測によれば、中国の2025年の新車販売台数は3200万台。その20%として計算すると、同年の新エネルギー車の販売台数は640万台となる。一方、足元の実態を見ると2020年1~9月の新エネルギー車販売台数は73万台にとどまっており、目標達成には製造・販売の両面で大幅なテコ入れが必要だ。
販売比率の目標のほかにも、新エネルギー車産業発展計画はさまざまなビジョンを掲げている。具体的には、電池やインバーターなどのコア技術の研究開発、充電スタンドや水素ステーションなどのインフラ整備、自動運転技術と連携したスマートシティなどの推進だ。
さらに、ガソリン車の燃費に相当するEVの電力消費量を2025年までに走行100キロメートル当たり平均12.0キロワットアワーに低減する目標も打ち出した。
より長期の2035年までの目標としては、中国の新エネルギー車のコア技術を世界の先端水準に高めることや、新車販売の主流を(ガソリン車から)EVに移行させること、公共車両の全面電動化、FCVの本格的な商用化などを掲げた。
(財新記者:劉雨锟)
※原文の配信は11月2日
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