YouTube、あまりにも圧倒的な稼ぎ方のカラクリ

ジャニーズも頼る「20億人経済圏」の全貌

創業から15年、巨大メディアの巧みな戦略を追う(デザイン:杉山 未記)

月間ユーザー数20億人、1日あたりの視聴は10億時間、投稿動画の量は毎分500時間――。膨大な数のユーザーと動画を抱えるのが、グーグル傘下の動画共有プラットフォーム「YouTube(ユーチューブ)」だ。

YouTubeは2005年、アメリカの決済大手ペイパルの出身者3人が共同で創業。翌年には、自社の動画サービスが伸び悩んでいたグーグルが約16億ドル(当時の為替レートで約2000億円)で買収した。創業2年目にして破格の買収だった。

グーグルの傘下入りで勢いづいたYouTubeが2007年に開始したのが、動画の再生回数などに応じて投稿者が広告収入を得られる「パートナープログラム」だ。これがきっかけとなり、動画投稿で稼ぐ「ユーチューバー」が増加。日本も含め世界中で社会現象となった。

『週刊東洋経済』は11月9日発売号で、「YouTubeの極意」を特集。拡大が止まらないYouTube経済圏の全貌やビジネスへの活用方法を徹底解説している。

広告収入は年30%超の成長

動画数と比例して、企業がYouTubeに広告を出稿する枠も増える。グーグルの親会社アルファベットが2020年1月に初めて開示したYouTubeの広告収入は、2019年の1年間で151億ドル(約1兆5800億円)。グーグルの検索広告と比較するとまだ小さいが、成長率は年30%を超えている。

『週刊東洋経済』11月9日発売号の特集は「YouTubeの極意」です。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら

YouTube広告の利点について、広告代理店大手の幹部はこう話す。「視聴者が動画視聴に集中している状態で広告に接触するので、ほかの動画広告とは一線を画す」。広告主は、テレビCMの一大広告主だった大手企業から始まり、今は中小企業まで裾野が広がっている。ここ1~2年は、外部サイトへのリンクを添付し、アプリのダウンロードやネット通販商品の購買を促すタイプの広告への需要が拡大している。

一方、誰もが投稿できるゆえの課題も多い。2017年にはテロリズムやヘイトスピーチを助長する動画に自社の広告が表示されていたことを受け、アメリカの大手広告主が一斉に出稿を停止する事態に発展した。YouTube側はコンテンツや投稿者の収益化に関する規約改定のほか、規約違反の動画削除や拡散防止のためのシステム、人力でのチェック体制の強化に追われた。

広告が表示される場所を管理したいという広告主の声を受け、今年5月にはユーザーが熱心に視聴する傾向が強い人気チャンネルや特定のジャンル、広告主の要望に沿ったチャンネル群だけに広告を出せる商品をアメリカで発表した。年内には日本でも提供が始まる。不適切な動画への出稿を防ぎつつ、人気チャンネルに広告を出せるようになるわけだ。

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