YouTube、あまりにも圧倒的な稼ぎ方のカラクリ

ジャニーズも頼る「20億人経済圏」の全貌

誰でも自由に投稿できる仕組みのYouTubeだが、ただ投稿の「場」を提供しているわけではない。メディアとして、巧みな戦略でコンテンツを充実させているのだ。人気チャンネルが増えれば、視聴者が集まり、広告主の出稿も増えることにつながる。

「クリエーター(ユーチューバー)を増やすうえで最も重要なのは、彼らの収入源を増やすことだ」。YouTube本社でコンテンツ関連を統括する最高ビジネス責任者のロバート・キンセル氏はそう話す。投稿者の収益を拡大させることができれば、YouTube自身の収益も伸びる。そこで同社はここ数年、広告以外のビジネスモデルも広げている。

広告以外のビジネスモデルを拡大

その1つが、サブスクリプションだ。アメリカで2015年、日本では2018年に開始した「YouTubeプレミアム」(月額1180円~)は、広告表示がなく、動画のオフライン再生も可能な有料サービスだ。これには2018年開始の音楽ストリーミングサービス「YouTubeミュージックプレミアム」(単独では月額980円~)も含まれる。

YouTube本社の最高ビジネス責任者を務めるロバート・キンセル氏。今回、東洋経済の単独インタビューに応じた(写真:Google)

これらサブスクリプションサービスの有料会員数は、世界で3000万人に達する。有料会員の視聴時間に応じて投稿者にも収益が分配されるほか、曲の再生回数に応じてレコード会社にも還元する。今年初めにグーグルのスンダー・ピチャイCEOは2019年通期決算の発表の場で、「YouTubeのサブスクリプションは年換算で30億ドル規模の収益に達した」と述べた。広告の事業規模には及ばないが、着実に成長を続けている。

もう1つは、直接ユーチューバーの収入源になるサービスだ。まずライブ配信をしている配信者に、チャット内で視聴者が投げ銭(応援金を提供すること)できる「スーパーチャット」がある。2017年に国内外で提供が始まったもので、世界中で10万以上のチャンネルで使われている。

2018年にはチャンネルの登録者が月額料金を支払えば、限定動画などの特典を受けられる「チャンネルメンバーシップ」も始まった。スーパーチャットやチャンネルメンバーシップでは、YouTubeが収益の約3割を手数料として徴収する。

最近ではアパレルなどのグッズ販売で稼ぐユーチューバーも多い。アメリカでは2年ほど前から提供していたYouTube上でのグッズ販売機能が、今年9月に日本でも始まった。スマホアプリで視聴していると、動画の概要欄の下に販売しているグッズの一覧が現れる。クリックすると販売サイトに移動する仕組みだ。

さらにユーチューバーの中には化粧品やガジェットなど、商品紹介をする人も少なくない。「商品動画で需要を喚起するソーシャルコマースは、巨大な商機だ」(前出のキンセル氏)。YouTubeでは、動画に登場した商品にタグをつけ、アプリ内で購入を完結できるような仕組みを開発中だという。

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