仕事が楽しくない人に足りない「ファシる」力 会議の円滑化だけではなく仕事の生産性に直結

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「いい仕事がしたい」という目的を持って自分なりにやってきたつもりでしたが、周囲との関係性は希薄だったのだと思い知らされました。しかし、ファシリテーターを任されたおかげで自分自身に向き合うことを余儀なくされ、紆余曲折しながら自分なりの方法で円滑に会議を行うにはどうしたらいいのか少しずつ見いだしていきました。そしてようやく、いい会議の条件は、「時間厳守」「決まる・まとまる」「参加者の納得度が高い」という3つだと確信するに至ったのです。

現在私は、プロのファシリテーターとしてさまざまな企業の会議に携わり、会議のファシリテーションや会議改革のコンサルティングを行っています。また、年間2500人ほどの問題解決力/次世代リーダーなどの人材育成にも関わっています。

管理職やプロジェクトリーダーはもちろん、今は、若手の中でもプロジェクトマネジャーをはじめ、さまざまな年代の人が会議でファシリテーター的な役割を担う可能性があります。ファシリテーション、ファシリテーターの極意をつかめば、急に明日、自分がその役目を任されたとき、参加者全員が納得できる会議が実現できるはずです。

圧倒的に仕事が楽しくなる

もう1つ、ファシリテーションを学ぶと「圧倒的に仕事が楽しくなる」という副次的効果も期待できます。

『ゼロから学べる! ファシリテーション超技術』(かんき出版)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

事業部の各種施策の会議にせよ、風土改善の会議にせよ、ファシリテーションは正解がどこにあるのかを探ることから始めるような仕事ですから、さまざまな人たちの声をしっかりと聴いていかなければなりません。その過程で、チームのメンバー、関係者などたくさんの仲間を巻き込み、問題解決という1つの目標達成に向かって一緒に突き進んでいくことになります。ここで出し合ったアイデアや意見は、その後、必ず「いい仕事」に結び付き、高い成果を創出できます。

どんなに難解な問題も、自分だけで解決するわけではありません。仲間が自分には思いもよらないアイデアや意見を出してくれます。信頼できる仲間がいることを、ファシリテーションを実践する中で実感できます。仕事において、あらゆる問題を1人で抱え込む必要がないことに気づき、人間関係は円滑に、良好になりました。人によっては仕事に対する価値観が変わるほどのインパクトになると思います。どんな問題がやってきても、「仲間がいるんだから、必ず解決できる」と大きな自信になります。ファシリテーションの習得は、私にとって、仕事だけでなく、人生全般を劇的に変えてくれる力になりました。

今、仕事について悩んでいる人、仕事が楽しくないと感じている人は、ぜひ「ファシリテーション力」に注目し、このスキルを磨いてみてください。違う景色が見えるかもしれません。

園部 浩司 人材育成・組織風土改革コンサルタント/研修講師/プロファシリテーター

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そのべ こうじ / Koji Sonobe

新卒で入社した会社でマネージャーに昇格した際、プロジェクトメンバーとの 関係悪化を経験。これを機に試行錯誤を繰り返し、「メンバーの育成」と「成果」の2軸にフォーカスするチームマネジメントを実施。300名在籍の組織変革プロジェクトリーダーをつとめ、1年間で約2億円の営業利益の改善に導く。2016年に独立し、人材育成や組織改革、風土改革のコンサルティングを行う「園部牧場」を設立。ベンチャーから大手企業までのチームプロジェクトを仕切るほか、年間2500人以上のチームリーダーやファシリテーターの育成に携わる。指導した人数は、延べ2万人を超える。

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