「社会貢献する人」と「しない人」の決定的な差 「自分起点の社会善」積むトレイルブレイザー達
日本では、どうしても「SDGsを実践しなければならないけど、何をやればよいのかわからない」という発想で、セミナーに行き、TODOリストを教わってそれをやるという面があると思います。
もちろん、それは悪くはないですが、1人ひとりの構成員が、何を意味するのかを本質的にそしゃくして、自分のアクションに落とし込むという点では弱いのではないでしょうか。
樋口:社会貢献したいという個人は、トレンドとしては増えているし、特に20代・30代は、給料だけでなく、社会貢献がしたいという思いで会社を選んでもいるといいます。一方で、具体的な課題が見えておらず、ビジョンを持っていないということもあるのかもしれません。
岡:学生さんのキャリア相談を受けていると、社会貢献のイメージが硬直的だなと感じます。「社会貢献に興味があります。でも、事業会社とNPOのどちらに就職すべきかわかりません」というように、選択肢が2つしかないのです。
本当はもっと柔軟で、事業会社に所属しながら個人で活動してもいいし、事業として取り組んでもいい。NPOも、そこに入らなくても、関わり方はいろいろありますよね。
樋口:多くの人が社会貢献を実施する箱が提供されるのを待っている気がします。一方でセールスフォースでは、決まった箱はなく、従業員が主体的に社会貢献の実施方法を形づくっているのですね。
岡:そう。もっと社会貢献は多様であっていいと思うし、少しの力でも変えられると考えれば、活動の大きさに限らず価値はあるはずです。その意味で、学生さんや就活生こそ、この本を読んだほうがいいと思います。
林:私は、今年6月に長野県の小布施町に移住して、町おこし活動を行っていますが、町おこしは、私1人が考えて実行するのでなく、町のみんなから意見を引き出しながら進めることが必要不可欠です。
ともすれば会社の業務だけで、限られた人としか付き合わないという社会の中で、違う部署の人、同業他社の人も含めて、改めて社会の中に自分がいるんだと実感できる機会になりますし、社会の中での自分の役割を考え直す機会にもなります。
私が社会貢献を始めた「原体験」
岡:社会貢献は、生きている自分の意義を確認することにもつながっていると思います。私は大学生のときに初めて訪れたフィリピンの最貧農村での体験から、社会貢献に関心を持ちました。
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