「人前で泣くリーダー」が経営学の世界最先端だ 日本人はなぜ「ベニオフCEO」になれないのか?
お金→ビジョン→バリューベースの時代へ
これは、めちゃめちゃいい本ですね! すごい本だし、素晴らしい。日本の経営者とか企業が学ぶべきところは、ものすごくあるのではないでしょうか。多くのビジネスパーソンに手に取ってほしいですね。
この本では、セールスフォースが同社のバリュー(価値観)やそれに紐づく社会貢献を重視し、営利目的だけでなく多様なステークホルダーの幸せを考えながら経営している様子が詳細に描かれています。世界のビジネスの流れは間違いなく、こちらに向かっていると私は思います。
企業経営において重視されるものは、時代によって変わります。拙著『世界標準の経営理論』でも書いたのですが、高度経済成長期には「お金がすべて」という流れがありました。なぜなら、当時の日本人はまだ物質的に豊かではなかったから。経済は右肩上がりで給料も増えていく中で、物質的な欲求が優先されました。
その後、先進国ではそういう時代が終わりつつありますが、一方で成熟してきたからこそ、変革すなわちイノベーションの重要性が高まりました。そこで次に重視されるようになったのが、「未来へのビジョン」だと私は考えています。
実際に今、世界中で急速に伸びている会社には、ビジョンの強いリーダーがいます。孫正義さんやイーロン・マスクさんなどが、典型ですね。
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