「成功する会社」と「正しい会社」の決定的な差 「トレイルブレイザー」はきれい事の本に非ず
現役の経営者が描く「反省記」
『トレイルブレイザー』のキーワードの1つは、「アクティビストCEO」です。マーク・ベニオフ氏は、それがどういうもので、どのように発展させられるのかということを、今後の企業のあり方とともにズバッと斬り込みながら描いています。
自分は経営者だから経済のことだけ考えていればよいという時代ではないことなど、いろいろといい気づきがあって、ハッとさせられる本でした。そして、これからは社会に対する責任を担う企業こそが、消費者からも、あるいは働く社員にも選ばれるようになっていくことがイメージできました。
会社を辞めてから、いろいろなことを発言したり慈善事業をしたりするのではなく、ベニオフ氏の場合は、現役の会社経営者という立場ではっきり主張して、自社の明確な指針を示しており、かつ行動に出ています。こういう経営者が今後増えてくるのだろうと思います。
社会問題に対しても、やや過激な発言もされていますから、おそらくアンチも多く、批判にもさらされているのだろうかと推測しますが、これからは「成功する会社が選ばれるのではない。善いことをする会社が選ばれるのだ」とベニオフ氏が最後に言い切っているのは、未来に対する力強さを感じます。
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