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「成功する会社」と「正しい会社」の決定的な差 「トレイルブレイザー」はきれい事の本に非ず

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  • 柳澤 大輔 面白法人カヤック代表取締役CEO
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こうした潮流が今後、経営の主流になるためには、そのほうが経済合理的でなければならないと考えている人たちがいます。経営者は経済合理性にのっとって動く生き物だからだと思います。

ですが、この本に書かれている潮流は、「こうしたほうが将来的に有利だ」という話ではなく、人類愛のような、もっと深いところに源がある話だと思います。企業は今、人類史上において力を持ちすぎている状態であり、みんなの幸せを担う責任としてこうあるべきなんだ、というような話です。

そのように人の幸せを担おうとするためには、自分自身が幸せに包まれていなければ説得力がありません。だから、この本の冒頭には、マーク・ベニオフ自身のそうした個人的なエピソードや、マインドフルネスなどの話も書かれているのでしょう。

マインドフルネスのトレーニングを

自身のマインドをどう幸福で満たすか。これも1つの技術であり、経営者にとって重要になってくるだろうと思います。

ベニオフ氏は、本書の前半で、瞑想をしてリフレッシュすることで、自分が本当にやりたいことを目指すという話を書いています。実際、この10年ほど、マインドフルネスに関しての研究はかなり進んでいて、瞑想は科学的になっています。

心を幸せにする安定的なトレーニングに取り組むことで心が満たされたからこそ、いいことをしよう、つまらないことに時間を割いてはいられないと感じる。これをセットで取り組んでいくことで、個人の幸福感は成立するのではないでしょうか。

こうした動きは経営者に限らず、社員1人ひとりが取り組むことによって個人の動きとして広がっていくので、その結果として、会社も変わらざるをえないだろうと思います。

日本では、今回のコロナ禍のような外的要因が、企業の社会的責任を考える緩やかな潮流を早めていくのではないでしょうか。これを機に、したくてもできなかったことを、しがらみを解くことでやり切る企業と、そうでない企業の違いが大きく出てくるように思います。この点では、社会にとって、いいチャンスなのかもしれません。

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