新型コロナウイルスに伴う緊急事態宣言が5月25日に全面解除された。しかし、医療関係だけでなく経済面の影響も甚大で、社会の混乱はしばらく続きそうだ。こうした危機の中、大手企業による社会貢献の取り組みが増えている。
例えば、KDDIは3月末、新型コロナウイルス感染症対策として、社会福祉法人中央共同募金会の赤い羽根「臨時休校中の子どもと家族を支えよう緊急支援募金」に1億円を寄付した。
4月30日には、グループ会社やサイトでの募金を合わせて351万5500円の追加寄付を実施。さらに5月14日には、同社が備蓄していた医療用品に代用可能な防護服1010着、ゴーグル457個を、全国7カ所の医療機関に提供した。
新型コロナのような世界的難題は政府の力だけでは解決できない。企業の支援がさらに広がっていくことが期待される。
ものづくりから環境まで多岐にわたる
東洋経済では、『CSR企業総覧(ESG編)』2020年版掲載の社会貢献活動支出額のデータを使い、支出額と経常利益に対する支出比率のランキングを作成した(詳細なランキングは4月発売の『CSR企業白書』2020年版に掲載)。
2018年度の社会貢献支出額のトップは、7年連続のトヨタ自動車で190.8億円。2016年度は292.4億円、2017年度も243.7億円と、2位以下を大きく引き離してきた。
同社は「自社の強みを生かしたグローバルな社会課題の解決に貢献していくこと」を目標に掲げ、本業の貢献だけでなく、さまざまな社会貢献活動に取り組んでいる。
公益財団法人トヨタ財団と協力して、トヨタNPOカレッジ「カイケツ」を開講。2017年以降、毎年20団体のNPOマネジメント層にトヨタの問題解決のノウハウを提供し、各団体の運営改善に貢献している。
ほかにも、技術系社員が講師となり、ものづくりや開発・生産などの技術にかかわる知識・体験を伝えるプログラム「科学のびっくり箱!なぜなにレクチャー」を実施するなど、自社が保有する高度なノウハウを社会に提供する活動に取り組んでいる。
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