この1年で起きた企業関連の不祥事で最も世間の注目を集めたのはカルロス・ゴーン氏らの逮捕劇ではないだろうか。有価証券報告書への報酬額減額記載に端を発した問題だが、日産自動車が内部調査を経て検察当局に情報提供する契機となったのは内部通報だという。
企業の不祥事を防止するうえで、内部通報制度は有効な手段の1つと考えられる。日産自動車の場合、その後、西川廣人前社長が報酬関連の不正で退任に追い込まれることになったが、ゴーン氏関連の内部通報などがこういった社内の不正を明らかにすることにつながったともいえるかもしれない。
セブン&アイHLDが5年連続首位に
東洋経済新報社『CSR企業総覧』編集部では、内部通報が機能するためには「通報しやすいオープンな社内環境を整備し、多くの声を集めること」が最も重要と考えている。
相談を含む多くの情報の中でわずかでも問題のある案件を見過ごさずに対応していけば、大きな不祥事を未然に防げる。そのための第一歩は、まず社内の通報件数を増やすことだろう。
そこで、編集部ではCSR調査の内容をもとに「内部通報件数(相談等も含む)」を毎年ランキングとして発表。通報しやすいオープンな会社を知るための1つの見方を提供してきた。
今回のランキング対象は『CSR企業総覧(ESG編)』2019年版掲載1501社のうち内部通報の件数などを開示している569社だ。
このうち2017年度の件数で上位100社をランキングした(『CSR企業白書』2019年版には200位まで掲載)。
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