お題目化した「地球温暖化やLGBT」は不毛だ ベニオフCEOが悩む「高層ビルとホームレス」
巨大企業が富を還元しない時代に…
政治的・社会的な態度を表明して、物を言う経営者のことを「アクティビストCEO」と呼んだりします。
『トレイルブレイザー』にも、マーク・ベニオフ自身がそう称される経緯が描かれていますが、得てしてこの言葉には、「地球温暖化問題や黒人差別問題などに表層的に賛同している、どこかチャラい感じの左翼系経営者」というようなイメージがつきまとってもいます。
しかし、この本を読むと、ベニオフはそのような固定化されたイメージの経営者ではなく、本当に真剣に悩みながら、社会や政治との関係について考え続けているということがよくわかります。
僕がいちばん感動したのは、彼がサンフランシスコにおけるホームレス問題に取り組んだところです。これは本当にすばらしい話です。
GAFAなどの超巨大化した企業は、大変な富を生み出しているのに、雇用も税金も社会に還元していないという問題が指摘されています。
グーグルは、かつては「Don't Be Evil.(邪悪になるな)」という行動規範を掲げていましたが、気がつけば莫大な利益をタックスヘイブンに回して租税回避していた。日本でも、アマゾンが法人税を納めていなかったことが話題になりました。
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